ベンチャー企業へ転職するシステムエンジニア－ベンチャー企業でも直接請け負い案件が増えている

システムエンジニアの業界では転職は珍しくありません。より良い環境、やりがいを求めて新しい
職場を求人を通して探すのは、将来のキャリア、収入面を考える上でも必要な事です。なぜそう思うのか
というとそう考えさせられた経験をした事があるからです。これは私が以前所属していた会社の話です。
その会社は未経験でもやる気とチャレンジ精神があれば積極的に採用する会社でした。

私も未経験でその会社に入社して働く事になりました。最初は研修から始まります。中途採用者は
１日入社と決まっていたので、同期入社が全員そろって講義形式で実施されました。通常、システム
開発会社の研修はパソコンだけ貸出し、オンデマンドや自習形式が多く、研修とは名ばかりの企業が
多い中、しっかりと教育してもらえる会社でした。

その時の講師の方は外部から呼んでいるわけではなく、会社の社員です。周囲の話だとかなりの
ハイスキルシステムエンジニアだったそうで、彼のプログラム言語を使いこなすノウハウ、
データベースに対する知識は、講義をしていてとてもわかりやすく感じました。ただ講義をしていて
少し気になった事もありました。

課題を与えられコードを書いている時、みんな楽しそうでうらやましいと講師の方が言って
いたのです。休み時間に話を聞いてい見ると、どうも本当は要件定義や基本設計をしたり、プログラム
コードを考えたりすることが好きだったらしく、現場を離れたくなかったそうです。それが会社の指示で
研修所の講師に抜擢され、プロジェクトが終わると同時に配属されたという経緯でした。

一ヶ月で研修は終わり、待期期間を経てプロジェクト案件に入る事が出来ました。
最初は苦労しましたが、それでも研修のかいあってか全く手が付けられないといった事はなく、
仕事を進める事が出来ました。そしてプロジェクトの終わりが近づき、次の案件が決まるまで
若干の待期期間があるから、研修所に待機しているように指示を受けていました。

今度会ったら講師の方に研修は非常に役に立ったと、感謝の気持ちを伝えようと思っていました。
ところが帰宅してみると家のパソコンに、その講師の方から今月限りで退社するとのメールが
入っていました。詳しい事情は書かれていませんでしたが、あれだけのノウハウを持っていて
なぜ会社の辞めるのか、腑に落ちない点がありました。

後でその方と親しい同僚から聞いた話ですが、やはり現場で仕事がしたい思いがあり、今の会社
ではそれが無理なので、転職したというのが本当の所だったそうです。この時に「ああ、こうやって
この業界の人は自分のやりたい事や条件を求めて転職するんだな」と考えるきっかけになった出来事
でした。

ベンチャー企業へ転職するシステムエンジニア－直接請け負い案件が増加傾向

最近のシステムエンジニア業界は大きく変わりつつあります。今までは大企業が中堅企業へ
仕事を振って、それから中小企業に仕事を振って、といった形になっていましたが、現在は一番末端
である中小企業の直接請け負い案件が増え始めています。技術の移り変わり早い業界ですが、
それに伴って以前の図式が崩れつつあります。

そもそも大企業は企業の規模ではなく、技術を信頼してシステム開発を外注します。つまりこういう
事です。

新しい技術が生まれる
↓
それに対応できる人材が求められる、
↓
スキルの高い人材を確保している
中小企業はこのまま末端にいると利益があがらない事は
わかっているので、その人材を直接大企業へ売り込むようになる、
↓
結果として直接請け負い案件を抱える
中小企業が増える、といった流れになります。

これは何を意味するか。システムエンジニアにとって働く環境のよい会社が増える事になります。
まず直接請け負い案件を持っていると、当然給料が高くなります。以前の図式だと、下請けの会社
にいくほど利益がそぎ落とされていくので、中小企業に至るまでにかなり少なくなっていましたが、
直請けだとそれがなくなります。

また通常、結合テストが終われば一旦プロジェクトは終了になり、後は出来る人が残ってシステム
テスト、保守運用をやっていくことになります。そのフェーズまで中小企業の人員が残っている事は
稀です。間に入っている中堅企業と発注元の大企業の社員で仕事を回していくからです。
しかし直接請け負い案件であれば、上流工程から保守運用まで一貫して仕事をする事になりますから、
長い期間雇用が安定します。そして信頼を勝ち取れば新たなプロジェクトをまた上流工程から手掛ける
事が出来ます。

いいことずくめです。この流れの中で、IT中小企業が今までのまま末端にいると、どんどん
淘汰されていきます。したがってこういった企業がこれから増えていくことが予想されますので、
大企業でなくてもベンチャー企業へ転職するシステムエンジニアが増えていくでしょう。
しかしそのためには直接請け負い案件を持っている企業だと知っていなければいけません。

そのために転職を考えている人には、詳しい企業情報まで把握しているIT業界専門の
転職エージェントの利用をお薦めします。せっかく転職してもまた末端部分の会社では雇用が
安定しませんし、たとえ給料が高くても、いつリストラされるかわからない状態で仕事はしたくない
というのが本音だと思います。IT業界の専門家であればしっかりとこれからのキャリアプラン、
希望条件を踏まえたアドバイスを提供してくれますのでぜひ利用を検討してみてください。

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